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ボルドーワインと湯浅醤油

2014年6月29日

湯浅醤油(有)、丸新本家の新古敏朗です。

フランスのボルドーで6月1日に10周年のモンドセレクション受賞式が行われ行って来ましたが、
今回のボルドー訪問には、もう一つの目的がありました。

ワインの勉強に行くことです。
日本の醤油の歴史は、760年 (湯浅町で醤油作りが始まったのが発祥)

ワインの歴史って何年か知ってます?
約1万年前は、グルジアで作られていたそうです。

1万年前ですよ!

貯蔵していた葡萄が発酵して偶然できたのが2000万年前と言う話
醗酵の世界から見ると ワインは、葡萄を置いて置けば勝手にできた事は、想像できますが、
余りに歴史が古い

日本は、縄文時代が 約1万年前~紀元前300年
弥生時代が 紀元前300年~西暦300年頃まで
古墳時代が 西暦285~562年
2000年前でも弥生時代やから 稲作が始まった頃?

ワイン恐るべし! 1万年前!

フランスワインは、紀元前600年ころでギリシャ人によって持ち込まれ始められたらしいです。

前置きは、長くなりましたが 醗酵をやっている私としたら こんな最高のタイミングは無い!
チャンス~! とばかり モンドセレクションの受賞式の前に 3日間ワイナリーめぐりを計画しました。

面白そうな事が浮かんだんです!
1万年の歴史を醤油造りに応用できるのではないかと思ったのです。

目的は、 
1、ワイナリー生産者かオーナーと会って、直接話をする (考え方、作り方を聞くため)
2、ワインの樽を買って帰る 
3、ボルドーに友達をつくる

今回、ボルドーの案内役は、内田修さん(https://www.facebook.com/osamu.uchida.3?fref=ts)
なんと、フランス ボルドーでワインを醸造している日本人です。

普段は、あまりガイドしないらしいですが、日本から醸造家が行くといので、ガイド役を引き受けていただきました。
専門的な事も通訳していただける事と私一人だったので、集中的に思う存分会話する事ができました。

今まで、ワインを飲んだ事は、有りますが生産者と話をしたことが無かったので、
土、畑、葡萄、気候、製法、道具、コルク、今と50年くらい昔の違い、ワインの歴史等
私は、何も知らない所から教えていただく事になりました。

まず、驚いたのは、ボルドーにワイナリーが大小含め 1万軒くらい有るそうです。
湯浅醤油は、江戸時代の最盛期92軒と言われていますが、規模が違う。
そして、昔から輸出して外貨を稼いでいる。

ボルドーの市街は、世界遺産に登録され 美しく素晴らしい建物がその富の存在の証ですね。

コルクの木の皮 初めて触りました。

 

 


6月初旬は、花が咲きかけのつぼみ状態 土もよく見ると小石が混ざった水はけの良い土壌


アキテーヌ地区のサン-テミリオン 地上は世界遺産の町であり、
地下は、昔この地層の石灰岩を切り取ってできあがった 地下道が2層3層に縦横無尽に延び
延べ200kmもの地下洞窟が存在している。
地上の土壌は、水はけが良く葡萄の栽培に適し、ワイン作りが行われ その地下道が18度の貯蔵蔵になっている。


薄暗く、ひんやりとした 何とも うらやまし光景でした。


世界中からお客さんが来られるため、世界地図に自分の出身地を示し、残す事ができる


個人レベルで 経営しているワイナリー
ヴィンテージワインを頼むと その場でラベルを貼り付けてくれます。
私は、1969年の生まれ年のワインを購入しました。
この中の、ラベルを貼っていただきました。


ココは、1階に醸造タンクが有り、この写真は2階  この中央部の赤いマンホールから葡萄を投下する所
2階全体が作業場なんですね。


各ワイナリーには、生一本黒豆醤油と金山寺味噌をお土産に持って行きました。
気前の良いオーナーさんは、ワインをお返しにプレゼントしてくれました。


シャトーマルゴーの葡萄畑 小石でガラガラ

 


この方は、マルゴーのおじいちゃんの造るワイン
樽の置き方に特徴が有り、トップのキャップが横の方に付いている 50年くらい前の昔の作り方
説明すると、長くなるので省略しますが、近年は、この製法は、かなり少ないようです。
このワイン赤ワインなのに飲みやすく、渋くなく 美味しかった。
Margaux(マルゴー)のワインやから?


ボルドーは、中心市街地以外は、見事な葡萄畑が続きます。(車で1時間走っても葡萄畑が続きます)
こんなに葡萄畑が有るとは、ココに来るまで想像していませんでした。


ソーテルヌ地区の特別1級シャトー(シャトーディケム(ルイビトングループ))の隣の
レイモンドラフォンさん(元シャトーディケムの工場長より独立)各付けは、無いものの実力は、折り紙付き


貴腐ワイン 貴腐菌の働きで干しぶどうの腐った様な指を指している葡萄だけを1粒1粒手で集めて造った貴重なワイン
こんな葡萄を使うのってくらい しおれたのを使うんです。
1本の木で グラス1杯しか捕れないらしく、この地域で発生する独特の霧が葡萄を変化させる奇跡の土地のワイン

まとめ
ワイン造りで一番大事な第1条件 みなさん口を揃えて葡萄の品質(素)これで殆どが決まる
醤油の造りで一番大事な第1条件 私たちは、醤油麹(素)これで殆どが決まる

各醸造元には、細かいノウハウが有るが、聞く程度では奥深さは分からない
これも醤油の作り方に、共通する物があった。

ワインは、葡萄の味だけだと思っていたが、オークの木樽の薫りが程よく入っている。
話を聞いてココが、結構なノウハウ 葡萄と樽と甘味、渋みなどのバランスが重要
ここから、スコッチやバーボンにも共通するテクニック

ワインの素晴らしいところは、10年でも50年でも置くことが出来る保存技術
醤油には、それが無く、古くなると捨てる物になってしまっている。

今回ボルドーでワイン樽を買ってきたのは、そこら辺を探ってみたいと思っています。

ワイン樽

 

今回、内田さんに案内していただき、製造者の視点で通訳をしていただき、本当に感謝!
普通の通訳さんでは、難しいことも簡単にこなしていただきました。
まだまだ、聞きたい事やボルドーでやりたいことが有るので
もう一度、ボルドーに行きたいと思っています。

また、醤油の天敵の産幕酵母て酵母があります。
もちろんワインにも天敵ですが、フランスの ジュラ地方のヴァン・ジョーヌは、その天敵を
味方につけたワインが有るそうな、先日東京赤坂の燻の「くまさん」に教えてもらいました。
今度は、そこら辺のワインを勉強と見学に行き醤油造りに転用できないかと考えています。

日本の醤油醸造の技術と外国の醸造技術を組み合わせる事を考えている人は、今まで無かったのでは・・・・
1万年のワイン歴史に学ぶべき所が有ると感じています。

もちろん日本の醤油の技術は、世界でもトップレベルだと思いますが、まだまだ奧に深い所が有りそう。
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